給湯器のエラー11・111の原因と対処法|修理か交換かの判断方法も解説
この記事では、11・111が表示されたときに、以下の3点について順番に解説します。
- ご自身でできる対処の方法
- エラーが解消しなかった場合の対応
- 修理か交換かを判断する方法
給湯器のリモコンに「11」または「111」が表示されてお湯が出ないと、「給湯器が故障したのでは?」と慌ててしまうかもしれません。
ただし、このエラーは必ずしも給湯器本体の故障を意味しているわけではありません。
たとえばガスの供給が止まっている場合でも、給湯器は点火できなくなります。
そのため、すぐに給湯器の故障と判断せず、まずは安全に確認できる範囲で原因を切り分けていきましょう。
まずは「給湯器側に問題があるのか、それともガスが供給されていないのか」を、メーカーが案内している範囲で確認していきます。
それでもエラーが解消しなければ、メーカーなどへ点検・修理を依頼してください。
給湯器内部を自分で分解したり修理したりするのは、絶対に止めましょう。
また、実際の修理見積が出た段階で、「この金額で修理するか、それとも交換するか」で迷う方もいるでしょう。
その際の判断基準となる考え方やツールについても、記事の後半で紹介します。
目次
給湯器のエラー11・111は点火できないときに表示される
エラー11・111は、給湯器が正常に点火できなかったことを示すメッセージです。
ポイントは、「点火できない=給湯器本体の故障」とは限らないことです。
そのため、11・111が表示されたときは、まず故障以外の原因の可能性がないか確認しましょう。
ただし、エラーの内容や対処方法は、メーカーや機種によって異なる場合があります。
お使いの給湯器の取扱説明書やメーカーの公式情報も参照したうえで、確認にあたってください。
メーカー別のエラー11・111に関する公式情報
| メーカー | 公式情報で確認できた内容 |
|---|---|
| リンナイ | 11・111について公式FAQで案内があります。お使いの機種に応じて公式の案内を確認してください。 |
| ノーリツ | 11は、給湯器が点火できなかったときに表示されます。ほかのガス機器が点火するか、ガスが供給されているかを確認するよう案内されています。 |
| パーパス | 11・111は、ガスの供給がない場合にも表示されます。ガスメーターやガスコンロなどでガスの供給状況を確認し、問題がなければ給湯器の故障が考えられると案内されています。 |
| パロマ | 今回確認した公式情報では、11・111について共通する明確な案内を確認できませんでした。お使いの機種の取扱説明書を確認してください。 |
| ハーマン | 今回確認した公式情報では、11・111について共通する明確な案内を確認できませんでした。お使いの機種の取扱説明書を確認してください。 |
メーカーによって表現や案内内容には違いがありますが、まずガスの供給状況を確認するという点は共通していることが分かります。
では、実際にどこから確認すればよいのか、順番に見ていきましょう。
エラー11・111が出たときの対処方法
最初に確認したいのは、「使えないのは給湯器だけか、それともガスそのものなのか」です。
火気を使用せず、換気扇や照明などの電気スイッチにも触れずに、契約しているガス会社の緊急連絡先へ連絡してください。
① ほかのガス機器が使えるか確認する
まず、ガスコンロなど給湯器以外のガス機器が使えるか確認すると、原因を大きく切り分けることができます。
- ほかのガス機器も使えない場合:ガスの供給が止まっている可能性があります。②へ進みます。
- ほかのガス機器は使える場合:少なくともほかのガス機器にはガスが供給されていることを確認できます。③へ進みます。
② ほかのガス機器も使えない場合はガスの供給状況を確認する
ガスコンロなど、ほかのガス機器も使えない場合は、まずガスメーター(マイコンメーター)によってガスの供給が遮断されていないか確認します。
地震などによって安全装置が作動すると、ガスの供給が停止することがあるからです。
遮断している場合は、契約しているガス会社が案内している方法に従ってください。
方法が分からなければ、契約しているガス会社へ確認しましょう。
LPガスを使用している方は、ガス切れなど供給側の問題も確認します。
例として、パーパスでは、ガスコンロも点火しない場合について、ガスメーターによる遮断だけでなく、ガス切れの可能性も案内しています。
供給状況が分からない場合は、契約しているLPガス会社へ確認してください。
③ ほかのガス機器が使える場合は給湯器側を確認する
ガスコンロなどが正常に使えるのであれば、少なくともほかのガス機器にはガスが供給されていることを確認できます。
次に、お使いの給湯器の取扱説明書などで確認方法が分かる場合は、給湯器につながっているガス栓が正しく開いているか確認します。
また、台風や豪雨の直後であれば、天候の影響も考えられます。
11・111は、台風や豪雨の際に一時的に表示される場合があるからです。
リンナイでは湿気などの影響、ノーリツでも強い雨や長雨によって給湯機器内の湿度が高くなった場合について案内しています。
雨風が止んでしばらくしてから、メーカーが案内する方法で再操作してもエラーが続く場合は、点検・修理を依頼してください。
④ メーカー・機種ごとの案内に従って再操作する
ここまで確認したら、取扱説明書やメーカー公式サイトで、11・111について案内されている操作を確認し、エラー表示の解消を試してください。
ネット上には「リモコンをリセットする」「電源プラグを抜き差しする」といった対処方法もありますが、再操作の方法はメーカーや機種によって異なる場合があります。
必ずお使いの機種の取扱説明書やメーカー公式情報を確認しましょう。
対処してもエラー11・111が消えない場合
ここまで実施しても11・111が解消しない場合は、メーカーへ点検・修理を依頼してください。
給湯器本体に不具合が発生している可能性があります。
また、エラーコードから考えられる不具合をメーカーが公開している場合もあります。
ですが、実際にどこが故障しているのか、修理できるのか、修理するといくらかかるのかは、点検を受けなければ判断できません。
また、原因を特定するために、ご自身で給湯器を分解したり、部品を交換したりするのは絶対にやめましょう。
ここからは、実際の点検結果をもとに、修理やほかの選択肢を考える段階です。
メーカーへ点検・修理を依頼する
点検・修理を依頼するときは、次の情報を分かる範囲で伝えておくと、問い合わせがスムーズに進みます。
- メーカー名
- 給湯器の型式
- 表示中のエラーコード(11または111)
- エラーが発生したときの状況
- ほかのガス機器が使用できるか
- すでに行った確認やメーカー指定の操作
ここまで確認できたら、メーカーなどへ点検を依頼し、修理できるのか、修理する場合はいくらかかるのかを確認しましょう。
修理すると決めている方は、ここまでの情報を参考にしてください。
一方で、修理か交換かの判断に迷われている方もいると思います。
「修理費が思ったより高い」
「修理しても、すぐに寿命を迎えたら無駄な出費になるのでは?」
当サイトでは、そうした疑問を持つ方の判断を支援するため、次の見出しから「考え方」や「計算ツール」の紹介をしていきます。
「修理見積額」のほか「交換見積額」も必要になりますが、修理か交換かを判断するための材料としてご活用いただけます。
それでは、「この金額を払って修理するか、それとも交換を考えるか」を判断するための手順を確認していきましょう。
提示された修理見積額を確認する
まず、提示された「修理見積額」が高いか安いかを、メーカーの公表料金だけで判断することはお勧めしません。
たしかに、リンナイやノーリツでは、エラー11・111に関する修理料金の目安を公式サイトで公開しています。
-
リンナイ「11・111」:11,500~51,700円(税込)
【公式FAQ】 -
ノーリツ「11」:15,000~50,000円程度(税込)
【公式FAQ】 -
ノーリツ「111」:15,000~55,000円程度(税込)
【公式FAQ】
こうしたメーカー公表料金は、提示された「修理見積額」を確認する際の参考材料になります。
ですが、実際の修理費は故障している箇所や交換する部品などによって変わるため、メーカーの公表料金と比較するだけで、個別の見積額が適正かどうかを判断することはできません。
提示された金額に疑問がある場合は、修理を担当する業者に費用の内訳や作業内容を確認しましょう。
メーカー公表料金はあくまで参考料金として、ご自身の給湯器について実際に提示された「修理見積額」を確認したうえで、次の判断へ進みましょう。
修理見積額が分かっても、修理か交換かはまだ判断できない
交換見積が必要な理由は、修理が交換と比べて経済的に合理的かどうかは、「修理見積額」だけでは判断できないからです。
まず、修理費の金額だけでは、その金額を回収するのに必要な期間が分かりません。
修理費は、いわば「交換を先送りするために支払う代金」としての意味を持っています。
例えば、実際の修理見積額が「6万円」だったと仮定してください。
同じ金額を払って修理したあと、交換せずに現在の給湯器を長く使えれば、交換費用の支払いをその期間だけ先送りできます。
一方、修理しても短期間で寿命を迎え、交換することになれば、支払いを先送りできる期間も短くなります。
同じ「6万円」でも、両者から得られる経済的価値は大きく異なります。
読者の方が修理する価値があるか悩むのは、現在の給湯器があと何年使えるのか分からないためだと考えています。
そのため、当サイトでは「修理後にあと何年使えれば、修理費用を経済的に満額回収できるのか」を独自の計算式で算出し、修理か交換かを考えるための判断材料を提供しています。
この期間を、当サイトでは「修理費を回収するのに必要な使用期間」と呼んでいます。
ただし、以下の3点にご留意ください。
- 算出される期間は、給湯器が実際にあと何年使用できるかを技術的に予測したものではありません。
- 交換後の新品の想定使用年数は、今交換する場合も、修理後に交換する場合も、その後の買い替えでも同じ年数と仮定しています。
- 将来の交換費用・補助金・年間光熱費削減額などの条件は、現在の設定が継続するものと仮定しています。
以上の前提条件をご理解いただいたうえで、次の見出しに進んでください。
計算するには「実際の修理見積額」と「交換見積額」が必要
修理費を回収するために必要な期間は、新品への交換費用や光熱費の削減額も考慮して計算します。
そのため、実際の「修理見積額」だけでなく、交換を選択した場合にかかる「交換見積額」も確認する必要があります。
後述する計算ツールには、この2つの見積額をそれぞれ入力する欄を設けています。
交換見積額は実際の見積を使う
なお、交換費用についても、ネット上の「給湯器交換の相場○万円」といった数字ではなく、自宅の設置条件などを踏まえて提示された実際の見積額を使う方が、ご自身の状況に即した計算が可能になります。
まだ交換見積を取っていない場合は、交換業者の無料見積を利用して金額を確認するのがおすすめです。
実際の「修理見積額」と比較しやすくなります。
例えば、キンライサーならネット上で必要項目をフォームに入力して、交換見積を依頼できます。
先方には修理も選択肢に入れていることを伝えたうえで、見積を取りましょう。
もちろん、見積を取得した段階では、交換するかどうかを決める必要はありません。
提示された金額や条件を確認し、修理と比較したうえで判断しましょう。
あくまで必要なのは、「実際に交換するといくらかかるのか」という情報です。
補助金が利用できる場合は交換費用から差し引く
交換を検討している給湯設備がエコキュートやエコジョーズの場合、国や自治体の補助金を利用できる場合があります。
もちろん、対象外の機種や申請期限などがありますので、各制度の公式情報や見積先などで利用の可否を確認しましょう。
そして、利用できると確認した補助金額を、フォームに入力して計算してください。
たとえば、交換見積額が「300,000円」、補助金額が「100,000円」だったとします。
この場合、実質的な交換費用は次のようになります。
300,000円 − 100,000円 = 200,000円
ただし、フォームには交換見積額「300,000円」と補助金額「100,000円」を、それぞれ入力してください。
補助金はツール内で自動的に差し引かれるため、交換見積額からあらかじめ差し引く必要はありません。
なお、「交換見積額」がすでに補助金を差し引いた金額になっている場合は、補助金を二重に差し引かないよう、見積先に補助金適用前の金額を確認してください。
また、補助金を利用しない場合は、補助金額を「0円」として計算できるように設定してあります。
修理費を回収するには、あと何年使う必要があるか計算する
実際の修理見積額と交換見積額が分かったら、当サイトの「給湯器 修理・交換判断サポート」で計算をしてみましょう。
計算では主に、次の6項目を使用します。
- 実際の修理見積額
- 実際の交換見積額
- 利用できる補助金
- 交換による年間の給湯コスト削減額
- 新品の想定使用年数
- 割引率
後半の3項目について、追加で説明します。
- 年間の給湯コスト削減額:メーカーなどの公表情報をもとに参考値を表示しますが、ご自身の使用状況に合わせて変更することも可能です。
- 新品の想定使用年数:初期値は10年です。12年・15年にも変更できます。
- 割引率:将来のお金を現在の価値に換算するための数値です。初期値は3%で、1~4%の範囲で変更できます。
これらの条件から、
「修理費を経済的に回収するために、給湯器の交換を先送りする必要がある期間は何年なのか?」
を計算します。
たとえば、計算結果が「修理費回収に必要な使用期間:約4年」となった場合、
「今回の修理費を経済的に回収するには、修理後の給湯器を約4年間使い、新品への交換を先送りする必要がある」
という意味になります。
なお、入力条件によっては、修理費の満額を回収するために必要な期間を算出できない場合もあります。
これは、交換を先送りすることで得られる経済的メリットが、修理費用を上回らない場合です。
この場合、計算上は、修理するよりも交換する方が経済的に有利と判断されます。
計算結果が出たら、技術的に現実的かを確認する
なお、繰り返しになりますが、修理費の回収期間が「4年」だからといって、給湯器があと「4年」使用できると判断しているわけではありません。
当サイトの計算ツールは、給湯器の状態や部品の劣化状況から、残りの使用可能期間を予測するものではないためです。
そのため、修理を担当するメーカーや修理業者などに、次のように確認することをおすすめします。
修理担当者から得られる給湯器の状態に関する情報と、計算ツールで求めた費用面の条件は分けて考えましょう。
当サイトの計算結果は、修理または交換のどちらかを推奨するものではありません。
- 費用面:修理費を回収するためには、何年交換を先送りする必要があるのか?
- 技術面:その期間使用を続けることは、給湯器の使用年数や部品の状況を考慮しても現実的な想定か?
この2つの情報を確認したうえで、ご自身で修理するか交換するかを判断してください。
エラー11・111が出たときの流れ
最後に、この記事で説明した流れを整理しましたので、ご確認ください。
- ほかのガス機器などを確認し、メーカーが案内している範囲で対処する
- 解消しなければメーカーなどへ点検・修理を依頼する
- 実際の修理見積額を確認する
- 修理か交換か迷う場合は、実際の交換見積額も確認する
- 計算ツールで「修理費回収に必要な使用期間」を確認する
- 修理後にその期間使える見込みがあるか、メーカーや修理担当者などに確認する
- 費用面と技術面の情報をもとに、ご自身の判断で修理か交換かを選択する
エラー11・111が表示されたからといって、すぐに交換が必要というわけではありません。
まずはメーカーが案内する範囲で安全に確認・対処し、解消しなければ専門業者に点検してもらいましょう。
そのうえで修理か交換か迷ったときは、修理費だけを見て決めるのではなく、交換費用なども含めて比較することで、ご自身の状況に合った判断がしやすくなると思います。
このサイトが、皆様の判断の一助となりましたら嬉しく思います。
ありがとうございました。